「未来からの挑戦」あらすじ

“英光塾”という名の塾 　その日、職員室の前には実力テストの成績が発表されていた。「高見沢さん、また１番だわ！」「へーえ、高木が４番だってよ！！」関耕児は月ヶ丘中学２年３組。最近転校してきたばかりで、この実力テストは受けていなかった。その日の休み時間。ちょっとした騒ぎが起きた。３人の男子が１人の少年に絡んで、「高木。おまえカンニングしたんだろ！そうでもなきゃ、おまえが４番なんかになれっこないさ！！」どうやら実力テストで急に４番になった高木を、みんなで責めているらしかった。見かねた耕児は飛び出し、その連中を追い払った。助けてくれた耕児に高木は、「僕の成績が良くなったのは、カンニングのせいじゃない。英光塾にいってるからさ・・」と説明しかけ、あわてて口をつぐんだ。不審げな耕児に、「何でもない、ただの塾さ。」というと、高木は去っていった。翌日、耕児はクラスメートの楠本和美に、英光塾のことを聞いてみた。「聞いたことあるわ。うちの近くの秀才が入ろうとして、断られたのよ。」「へぇ、よほど難しい試験でもやっているのかなぁ・・・。」「でも、高木君が入っているでしょ。」「変な塾だな。」 止まらないブランコ 　夕方、耕児に高木から、塾のことで説明したいという電話があった。約束の公園に行くと、高木はブランコに乗っていた。事件が起きたのはその時だった。高木が降りようとしても、ブランコが止まらないのだ。それどころか、振り子運動はさらに激しくなり、ついには回転運動になってしまった！！高木の姿は、もはやさだかではない。やがて、ブランコの回転が遅くなり、ゆっくりした振り子運動に戻ったが、その上に高木の姿はなかった！！呆然とする耕児の耳に、車の急ブレーキの音が聞こえた。現場に倒れているのは、まさしく高木だった！！だが、けがは大したことはないのに、高木はなぜか、耕児と約束したことをすっかり忘れていた！！不思議な事件はさらに続いた。クラスメートの吉田に来た英光塾の案内書をもらった森が、塾へ行くといって出て行方不明になり、発見されたときは、その件のすべてを忘れていたのだ。森を探すために、耕児は案内書の地図で覚えた記憶を頼りに、英光塾を訪れ、そこで美しい女教師田中レイ子と塾生の飛鳥清明に出会った。 “私は除名される・・・・” 　翌日、ずっと病欠していた生徒が耕児のクラスに登校してきた。塾であった飛鳥である。不思議なことに、耕児が話しかけても、飛鳥は、「君なんかと会った覚えはないよ。」と突き放すようにいうだけだった。耕児は気分を害したが、すぐに忘れてしまった。というのも、このところ学校内で妙ないたずらが相次いでいるのだ。その日も２年３組の黒板にいたずら書きが発見され、騒ぎになった。西沢杏子という女生徒がさわぎの輪を広げた。犯人を見つけて、罰するべきだといいだしたのだ。さすがに耕児たちの制止でそれはとりやめになったが、おさまらないのは杏子である。「今に関くんみたいな人は、私たちの代表が復讐してくれるんだから・・・。」と謎めいたことをいって、プイと横を向いてしまった。数日後、、クラスの代表委員選挙が行われた。この選ばれたメンバーで生徒会が構成されるのである。選挙の結果、肉薄する杏子を振り切って当選したのは、耕児であった。照れている耕児の傍らでまっ青になっていた杏子が。泣きながらいった。「これでは・・・私、除名される・・・。」耕児には、その言葉の意味がわからなかった。帰り道、前方にしょんぼりした杏子を見つけた耕児は、気になってあとをつけた。途中で気づくと、そこはいつか来た英光塾のそばである。そこで、耕児は、再び飛鳥に出会った。飛鳥の後を追って、どこかの家の木戸を入っていった耕児は、呆然となった。耕児は公園に立っていた。おまけにいつの間にか、夜になっていたのだ！ パトロールと２年３組 　やがて、生徒会選挙の時期になった。会長候補で立候補したのは、高見沢みちるという女生徒だった。立候補に当たっての公約は、校内の風紀の取り締まりだった。みちるの立候補を快く思わない男子の一人がみちるを野次った時、その事件は起きた。彼女がその男子を指差した時、彼は目をみはり、胸をおさえて倒れたのだ！耕児は思った。（まるで超能力者じゃないか！）選挙の結果、みちるは当選し、新会長になった。第１回の生徒会で、驚くべき案が可決されてしまった。風紀取り締まりのため、校則に違反した生徒を見つけ、摘発する巡回パトロールの設置だ。しかも、パトロール員は、クラスの代表委員から募るという。もちろん反対も多く、耕児たちもその一人だったが、みちるの意見に押し切られた形で、ついに可決されたのだ。パトロール隊は、さっそく活動を開始し、違反者が摘発され、罰が与えられた。生徒からの密告も多かった。（これじゃ、ファッショだ。）耕児は思うのだった・・・。やがて耕児の親友吉田が摘発された。密告したのが飛鳥だと知った時、耕児の怒りは爆発した。だが、問いつめる耕児に、飛鳥は超能力を使って対抗したのだ！耕児は屋上の金網を越え、反対側に落ちて軽い怪我をした。吉田は２年３組のほぼ全員一致で無罪となり、ここに耕児のクラスは、パトロール隊に対抗することになった。その時初めて耕児は、みちるも杏子も英光塾に行っていることを知った。 すべての謎は英光塾に 　ある日、杏子が自殺をはかった。英光塾をやめさせられたのが原因らしい。助けたのは、耕児と飛鳥だった。そんな中で、みちるの２年３組に対する策略は進められ、ついに２年３組はこの中学の生徒ではないと、生徒会で可決されるに至った。全員が全校生徒の前で謝罪するまで、同じ生徒としては認めないというのだ。「そんなバカな！」耕児はみちるに詰め寄ったが、パトロール隊に引き戻されてしまった。みちるについて聞こうと思った耕児は、その日杏子の家を訪ねようとした。そこに突然現れた飛鳥は、耕児を引き止めたが、急に苦しみ始め、倒れた。耕児が連れていった医者によると、光化学スモッグの発作らしい。この事件以来、飛鳥は耕児に少しずつ好意を抱くようになっていった。翌日から２年３組に対するみちるのいやがらせが始まった。２年３組を教えようとする先生が、すべて病気になったり、けがをしたりするのだ！（みちるの超能力のせいだ！！）耕児はそう直感した。そんなある日、吉田から電話があった。英光塾に生徒会の役員が何人も入っていくのを見たというのだ！！（そうか、やはりすべての秘密は英光塾にあるんだ！あの田中レイ子って女が総元締めにちがいない！！）英光塾にとんでいった耕児は、飛鳥が必死に止めるのも聞かず、中に飛び込み、逆にレイ子とその場にいたみちるにも捕らわれてしまった！ 過去にタイム・リープ 　耕児はレイ子に不思議な空間に閉じこめられてしまった。自分たちに協力すれば出してやるというレイ子のことばを、耕児は断固拒否した。その頃、関家には、レイ子が送った耕児そっくりのアンドロイドが帰宅していた。耕児が帰宅せず、怪しまれることのないように、というレイ子の陰謀だった。にせの耕児は学校にも通った。和美や吉田は、急に日和見主義者になった耕児を不思議に思ったが、まさかにせ者とは思いもしなかった。-----本物の耕児は、レイ子の所で恐ろしい拷問にあっていた。だが、間一髪のところで、耕児を助けた人間がいた。それは、レイ子の仲間の飛鳥だった。レイ子に追われる身となった二人は公園に逃げた。飛鳥の案内でブランコに乗った二人は、ブランコの回転運動を利用して、タイム・リープし、過去に向かったのだ！------気がついた所は、第２次大戦の最中の東京だった。レイ子や英光塾の謎を、耕児は必死にたずねたが、飛鳥は返事をしない。「今はまだいえない。」そういうだけだった。 未来人たちのたくらみ 　しかし、この世界でも憲兵隊に追われる身となった二人は、ロープを利用してタイム・リープし、再び現代に戻ってきた。そこで耕児は、初めてニセ耕児の存在を知ったのだった。ニセ耕児の連絡で、二人が帰ってきたことを知ったレイ子に、二人はまたねらわれることになってしまった。親友吉田からもニセ耕児の陰謀で見放されてしまった耕児と飛鳥には、行くところがなかった。しかもレイ子の配下のパトロール隊が、ジリジリと二人を追いつめてくる・・・・。二人は再びタイム・リープした時点に戻るためだった。-----無事、以前タイム・リープした時点に戻った二人は、吉田に見放された理由を発見した。吉田に耕児が停学処分を要求したというのだ。原因がわかった二人は、再びさっきの時点に戻って、彼らと対決することにした。ニセ耕児をやっつけ、本物の耕児がニセ耕児になりすます・・・・。それが二人の計画だった。その日、飛鳥は耕児に真実を話した。「ぼくたちは未来からタイム・リープしてきたんだ。ぼくたちの時代を救うためにね。ぼくたちの時代は、過去の人間が自由や権利を主張しすぎたせいか、科学は発達しているが、秩序もない混乱の時代だ。それを救うためには、過去を変えねばならない。」「どうやって変えるんだい？」「田中レイ子が英光塾でやったように、この時代で有能な人間を選び、洗脳して、その他のバカな連中を指導させるようにするんだ。そのため、英光塾に入れる生徒も、みちるのような、われわれの役に立ちそうな人間ばかりを選んだのだ。だけど、関、ぼくはきみのおかげで、ぼくたちのやろうとしていることが、ファッショだとわかった。ファシズムの世界になったら、また戦争が起きて、ぼくらの未来も待たず、世界は破壊してしまうかもしれない。」 タイム・ポケットとは 　夕方、みちるによって、英光塾関係者の秘密会議が行われた。もちろん、ニセ者とすりかわった耕児にも召集がきた。議題は、冬期合宿に名を借りた集団洗脳の話だった。公園で飛鳥と待ち合わせた耕児は、その話を彼に伝え、さらにそれについての書類が生徒会室のロッカーにしまわれたことを話した。「今のうちに英光塾の存在を世間に知らせるには、絶好の証拠だな。」二人は英光塾に忍び込み、タイム・コントロール装置を壊すことにした。が、計画は失敗し、二人は再びレイ子に捕らえられてしまった。残る手段は高木博士からもらったデータにある地震が起こるのを待つだけだった。地震が起きたのは、二人がレイ子によって処刑される１秒前だった。閉じこめられていた空間から抜け出すと、二人はレイ子のいる部屋に向かった。超能力を発揮できないレイ子は敵ではなかった。そして、耕児がコントロール装置を壊すと、レイ子は突然来るしみ始めた。煙を出して消滅してしまったのだ！！耕児たちは勝った。だが、飛鳥は、未来に戻って、裏切り者として裁きを受けなければならない。飛鳥は、「ぼくは向こうに帰ったら過去を変えることの愚かさを話す。ひと月たったら英光塾に来てくれ。もし、ぼくが現れなかったら、話がわかってもらえなくて死んだと思ってくれ・・・・。」といい残して未来に去っていった。あれからひと月・・・・。耕児は英光塾で飛鳥の持ち物を発見した。それこそ彼が無事だという証拠であった・・・・。（終わり）

主役のプロフィール　佐藤宏之 　関耕児役の佐藤宏之くんは、他にも「水戸黄門」や「江戸の旋風」など、数多くに出演しているのは、もちろん知っているよね。昭和３６年１０月２３日、東京生まれの佐藤くんは、現在堀越学園高等部１年生。身長１６５cm、体重４９kgの、どこかやさしそうで、甘い感じのする男の子だ。趣味はカッコよく剣道！初段だそうだよ。あと、詩を書くことも好きだって、ロマンチストなんだね。好きな女の子のタイプは、積極的な人。好きな食べ物は肉とメロン、嫌いな食べ物はピーマンとニンジン。勉強は、国語が好きで数学が嫌い。好きな歌手はカーペンターズとか・・・・・。レターのあて先は、〒106　東京都港区六本木7-17-12　ビジネスアパートメンツ内友好社　だよ。