映画監督・小中和哉氏からの「応援メッセージ」
幼児期に怪獣映画や「ウルトラシリーズ」の洗礼を受けてワンダーなＳＦ映像体験の魅
力にとりつかれていた僕は、思春期にさしかかった頃この番組と出会い、衝撃を受けた。
特撮を使わなくても設定ひとつで日常生活がワンダーランドに見えてくる不思議さに震
え、等身大の主人公に感情移入し、社会的メッセージの明快なドラマに感動した。
再放送を繰り返し、後のビデオ時代でも定番商品化した「ウルトラシリーズ」と違い、
本放送時の一回かぎりの記憶の中に封印された「少年ドラマシリーズ」のイメージは、僕
の中で純粋培養されていく。
その「少年ドラマシリーズ」への妄想を原動力に自分の作品を作ってきたけれど、ここ
らでその“聖域”の封印を破り、今の目で向き合ってみたいと思う。自分自身の想いへの
オトシマエは作品作りでつけたので、今度はまた純粋に観客として楽しんでみたい。
「少年ドラマシリーズ」の復活（特に「タイムトラベラー」最終回）に期待しています。
小中 和哉
小中 和哉氏プロフィール
1963年2月8日生まれ。成蹊高校、立教大学出身。
学生時代に手塚眞監督の自主制作映画『FANTASTIC・PARTY』(1978・8mm)等に出演。
主な監督作品：
『星空のむこうの国』(1985)
『四月怪談』(1987)
『くまちゃん』(1992)
『ディフェンダー』(1996)
『ウルトラマンゼアス２ 超人大戦・光と影』(1997)
『ウルトラマンダイナ』(1997〜98・TV)
『ウルトラマンティガ＆ウルトラマンダイナ 光の星の戦士たち』(1998)
『なぞの転校生』(1998)
映画監督・清水 厚氏からの「応援メッセージ」
嬉しい事に最近ではＮＨＫでも＜六番目の小夜子＞も始まり、ひさしぶりに夕方の時間が待ち遠しいという懐かしい感覚に浸っております。
以前からジュヴナイルＳＦの復活をめざして映画業界に入った者としまして、皆様と共に少年ドラマへの愛着を感じております。
僕自信は若干の作品に関わる事ができましたが、皆様方からの応援などで励まされることもあり、今後もさらに創り続けたいと考えております。また新たな作品でお目にかかりたいと思います。
清水 厚
清水 厚氏プロフィール
1964年8月28日生まれ。実相寺昭雄に師事し、1993年、短篇「紐」（ビデオ相寺昭雄のミステリーファイル３ 奇の館」収録）で監督デビュー。以後、1995年にビデオ「淫獣教師II」、1997年にビデオ「淫獣教師V」、テレビシリーズ「エコエコアザラク」、映画「ねらわれた学園」、テレビシリーズ「ねらわれた学園」、テレビシリーズ「真・女神転生 デビルサマナー」、1998年にテレビシリーズ「仮面天使ロゼッタ」、テレビシリーズ「美少女新世紀Ｇａｚｅｒ」と、多数の作品で監督・演出を手がけてきた。
ＮＨＫドラマ番組部ディレクター・遠藤理史氏からの「応援メッセージ」
祝！少年ドラマシリーズDVD化
「私は少年ドラマシリーズを見て育った少年でした。」
四半世紀前、当時の日本ＳＦ界若手ホープ作家の作品などを次々ドラマ化し、少年達の目を釘付けにした「少年ドラマシリーズ」。かくいう私もその「釘付けにされた」一人でした。今となってはほんの断片しか覚えていませんが、でも毎日テレビの前に座り、「こんどのシリーズはどうかな、面白いかな？」とワクワクして待ったあの気持ちだけは忘れられません。
その印象が強すぎて、ＮＨＫに入ってしまったといっても過言ではありません。しかもドラマ部に配属になり、ずっと「あんなドラマが撮りたい」と思い続けてきましたが、なかなかその機会に恵まれませんでした。
残念ながら、現在SFをはじめとしたジュヴナイルものを取り巻く状況は、決して良くありませんが、昨年ドラマ愛の詩で「六番目の小夜子」という作品に巡り会えたことは、大変な幸運でした。しかも、その演出を手がけたおかげで、NHK内外で多くの「少年ドラマシリーズの子供たち」に出会うことが出来たのです。
「六番目の小夜子」の原作をお書きになった恩田陸さんは、私と同い年の36歳。「少年ドラマシリーズのような小説が書きたかった」と仰っていました。だからNHKがドラマ化のお願いに伺ったときも、二つ返事でOKをいただけたのです。
劇中の音楽をｃｏｂａさんにお願いに伺った時。ｃｏｂａさんは、企画書を読むなりこう言われました。「このドラマには『タイムトラベラー』のテイストを感じます。ボクはあのドラマの大ファンでした。」
そうなればもう作品のイメージについて言葉を尽くす必要はありません。打ち合わせは一瞬で終わりました。
そんな人々に支えられて「六番目の小夜子」は世に出ることとなり、おかげさまで好評をいただくことができました。反響の多くは中学生からのものでしたが、30代〜40代の方々からも「少年ドラマシリーズを思い出した」というメッセージをたくさんいただきました。ああ、あのシリーズを大切に思っている人がこんなにいるんだなあと私も嬉しくなりました。
こんなにも多くの人々に愛され続けているシリーズが、いよいよDVD化されるとのこと。
本当に楽しみで、ちょっと怖い気もします。果たして、少年の頃の私を熱狂させてくれたあのシリーズは、今の私をも熱狂させてくれるのでしょうか。私の中の「少年」が試されるような、そんな気持ちでDVDを待っています。
2001.2.15ＮＨＫドラマ番組部ディレクター 遠藤 理史
遠藤 理史氏プロフィール
1964年生まれ。NHKドラマ番組部ディレクター。 1987年NHK入局。 長崎放送局へ赴任、1991年ドラマ番組部へ。
〈主な演出作品〉
NHKスペシャル「リバース・アンド・プレイバック」 、新銀河ドラマ「企業病棟」 、金曜時代劇「とおりゃんせ」 、国際共同製作「リンコ」 、連続テレビ小説「あぐり」 、NHKドラマ館「35歳・夢の途中」 、大河ドラマ「元禄繚乱」 、ドラマ愛の詩「六番目の小夜子」、連続テレビ小説「ちゅらさん」など。